はじめに
高度専門職ビザ(高度人材ビザ)は、「高度な能力・技能を持つ外国人」を積極的に受け入れるために設けた在留資格です。
ポイント制によって学歴、年収、職歴、日本語力などが評価され、一定以上の点数を得た外国人に対して優遇措置が与えられます。
この記事では、高度専門職ビザの制度概要、取得条件、メリット、申請手続き、注意点などを解説します。
高度専門職ビザとは
高度専門職ビザは、出入国在留管理庁が定めるポイント表で判断される在留資格です。
高度専門職の対象になる方は以下の通りです。
高度専門職1号イ 相当程度の研究実績を有する研究者、科学者、大学教授など
高度専門職1号ロ 医師、弁護士、エンジニアなどの高度な専門資格を有する技術者
高度専門職1号ハ 相当規模の企業の経営者及び監理者などの上級幹部
さらに、1号からの在留を3年経過すると、高度専門職2号に移行可能です。
2号になると在留期間が無期限となり、さらに多くの活動が可能になります。
ポイント制評価制度の概要
ポイントは、以下の要素で構成されます
学歴(最大30点)
職歴(最大15点)
年収(最大40点)
日本語能力(最大15点)
年齢、学術的業績などの加点
合計70点以上で「高度専門職1号」の申請が可能です。
高度専門職ビザのメリット
高度専門職ビザを取得すると、以下のようなメリットがあります:
・永住申請の要件の緩和
通常10年必要な永住が、70点以上:3年、80点以上:1年で申請可能になります。
・配偶者の就労制限緩和
配偶者も就労可能です。
・親・家事使用人の帯同
一定条件のもとで親(被扶養者)の帯同が可能です。
家事使用人の帯同も要件を満たせば可能になります。
・在留期間の優遇
初回から5年の在留期間が付与されます。
高度専門職2号とは?
1号で3年継続して適切に活動すると、高度専門職2号へ移行可能です。
在留期間が無期限になります。
永住との違い・どちらが有利か?
永住の特徴
・在留資格の更新が不要
・活動制限はありません。(転職・起業が自由)
・社会保障・住宅ローンなどで信用が得やすくなります。
・長期出国、納税義務違反など取り消しのリスクがあります。
※原則として親の帯同や家事使用人の同行は認められません。
高度専門職の特徴
・家族帯同・在留期間などの優遇が受けられます。
・永住申請の短縮特例が適用されます。
・一定の職業活動が前提になっています。
どちらが有利?
ライフスタイルやキャリアによって異なります。
長期的に日本に定住・自由に生活したい人 → 永住
家族を帯同しつつ特定分野で活躍したい人 → 高度専門職
永住を目指す過程で、高度専門職を経由することで早期申請が可能になるという点では、併用的に活用するのが効果的です。
注意点・デメリット
ポイント証明に必要な書類を揃えるのが大変です。
条件が変動すると永住申請に影響が出る可能性があります。
必ずしも「高度専門職」経由が永住の最短ルートとは限りません。他の方法と併せて考える必要があります。
よくある質問(FAQ)
Q. 一度取得したらポイントを維持し続ける必要はありますか?
→ 在留資格の更新には大きな影響はありません。
ただし、永住申請における短縮特例を使う際は、その時点でポイント基準を満たしている必要があります。
Q. 技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国)から変更できますか?
→ 可能です。高度専門職として申請・変更することで、優遇措置を受けられます。
まとめ
高度専門職ビザは、優秀な外国人材が日本で働きやすくなるための特別な在留資格です。
高得点者には永住への近道となり、家族やキャリアにおいても多くのメリットがあります。
スイートピー行政書士事務所では、高度専門職ビザのポイント確認、書類準備、申請書類の作成など、
トータルでサポートしております。お気軽にご相談ください。
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